青森でのりんごの収穫時期はいつから？りんご農園社長が解説！

皆さんは、青森県でのりんごの適正な収穫時期はいつなのか疑問に思ったことはないでしょうか？

結論、りんごは秋から冬にかけての8月上旬から11月中旬まで収穫が行われます。

今回は、りんごの適正な収穫時期について詳しく解説します。

※過去の記事で「りんごの生産量は青森がなぜ1位なのか」について解説している記事もありますので、ご参考にしてみてください。

りんごの生産量は青森が1位なのはなぜ？

青森のりんご収穫時期はいつから？

上記でも述べましたが、りんごの収穫時期は秋から冬にかけてがメインとなり、収穫期によって極早生種、早生種、中生種、晩生種に分かれて、様々な品種のりんごを楽しむことができます。

また、青森県ではりんごの収穫は10月頃が最も収穫量が多くなります。

下記にて、それぞれ品種毎に収穫時期を解説します。

青森りんごの収穫時期｜極早生種の収穫時期

極早生種は「ごくわせしゅ」と読みます。

収穫時期としては、8月下旬～9月上旬の最も早い時期に収穫されます。

青森県でもまだ暑さがある8月から食べられる酸味の強いのが特徴的な品種です。

極早生種は、栽培量が少なく希少品種が多いのも特徴です。

代表的な品種で、「つがるの極早生型」などがあります。

青森りんごの収穫時期｜早生種の収穫時期

早生種（わせしゅ）は、9月上旬～9月中旬の時期に収穫され、極早生種の次に早く収穫される品種です。

果肉は硬めでシャキシャキとした食感を楽しめるほか、酸味は穏やかで甘みが強いのが特徴です。

代表的な品種で、「つがる」、「きおう」などがあります。

青森りんごの収穫時期｜中生種の収穫時期

中生種（なかてしゅ）は、秋に収穫される主要なりんごです。

収穫時期としては、9月中旬～10月中旬のりんごの旬の時期に収穫されます。

甘みと酸味のバランスがよく、食感もよいのが特徴です。

代表的な品種で、「ジョナゴールド」、「秋映」などがあります。

青森りんごの収穫時期｜晩生種の収穫時期

晩生種は「おくてしゅ」と読みます。

収穫時期は、10月中旬～11月中旬で最も遅い時期に収穫される品種で、貯蔵性が高く冬まで楽しめます。

甘味が豊かで香りも強い品種です。

代表的な品種で、「ふじ」、「王林」などがあります。

青森りんごの収穫作業の流れは？

りんごの木を植えてから収穫するまでは、実は想像以上に期間が必要になります。

りんごの木を植えてから3年目以降になると、ようやくりんごの木が花を咲かせ、実をつけるようになります。

そのため、1本の木が最大収穫量となるまでは約10年程度かかります。

その後の収穫作業の流れをそれぞれの工程毎に解説していきます。

青森りんごの収穫作業の流れ①｜剪定

剪定（せんてい）はりんご栽培の最初の仕事であり、青森県では最も重要とされる技術です。

木の中まで日光が入るようにし、身の引き締まった良いりんごが実り、収穫できるよう1月〜3月に木の形を整えます。

青森りんごの収穫作業の流れ②｜肥料散布

美味しいりんごが育つためには、適度な栄養が必要なので、4月に肥料を散布して栄養を与えます。

その後、６月頃にもう一度肥料散布（追肥）を行います。

最近は、堆肥や有機質肥料も使われています。

そして、巨大なドローンを使用して効率化する農園も青森県では増えてきました。

青森りんごの収穫作業の流れ③｜草刈

青森県の農園環境として、水の蒸発などを防いだりします。

また、雑草など草が生えてきて、りんごが必要とする水分を奪い合ったりする可能性があるため、4月〜9月に適度な草刈りが必要になります。

青森りんごの収穫作業の流れ④｜受粉

りんごには他の品種の花粉をつける必要があります。

今では、マメコバチというハチを使って受粉を行います。

この作業は、5月中旬に行います。

※青森県では他の様々な手法を用いることもあります。

青森りんごの収穫作業の流れ⑤｜摘果

りんごは、1つの株に5つくらい花が咲きます。

これを全部りんごの実にすると小さなりんごしかできず、栄養が足りなくなって、来年の花ができなくなってしまいます。

そこで、青森県では6月〜7月あたりを目処に、3～5株に1つの実になるよう不要な実を取ってしまいます。

こうすることで大きくておいしいりんごが収穫することができます。

青森りんごの収穫作業の流れ⑥｜着色手入

りんごは太陽が当たった部分だけ赤くなるので、太陽が当たるようにりんごの葉を取る作業を行います。

また、りんごの反対側にも太陽が当たるように、りんごを回転させる作業も同時に行います。
青森県では、この作業を9月〜11月に行います。

※色づきをよくするため品種によっては、「袋かけ・袋はぎ」といった作業もあります。

青森りんごの収穫作業の流れ⑦｜収穫

1年かけて良いりんごが育つように準備を行い、冬に収穫を行います。

青森県の凍るような寒さと共存しながら、りんごの収穫に時間と労力をかけています。

青森りんごの収穫時期判定方法は？

青森県では、りんごの収穫時期を正確に判定するためには、以下の条件を元に判断します。

収穫のタイミングを見極めるための主な基準を下記にて詳しく解説していきます。

• 見た目
• 味
• 例年の収穫時期

収穫時期を判定する方法①｜見た目

りんごは全体の色がしっかりと赤く色づいているかがポイントになります。

りんごをひっくり返して、果実の裏側（茎の周り）や底の色も確認し、この部分が黄色や薄いクリーム色になっていると成熟しているサインです。

りんごの表面にある「果粉（かふん）」という白っぽい粉状の物質が薄く残っているかどうかも重要な判断材料です。

この果粉がきれいについている場合、りんごはまだ新鮮で収穫適期です。

収穫時期を判定する方法②｜味

りんごの甘さは、糖度計などで計測して判定することが一般的です。

品種ごとに適切な糖度があり、糖度が適正値に達した時が収穫のタイミングです。

例えば、ふじりんごは糖度が14～16度になることが理想的です。

りんごの酸味も収穫判定に影響します。

未熟なりんごは酸味が強く、熟すにつれて酸味が和らぎ、甘みが増します。

甘味と酸味のバランスが取れているかどうかを試食して確認します。

収穫時期を判定する方法③｜例年の収穫時期

青森県や長野県など、産地によって微妙に収穫時期が異なり、気候や標高によってもタイミングが変わることがあります。

例年の収穫時期は品種ごとに異なりますので、昨年の収穫時期も参考にすると良いです。

青森りんごの出荷と流通はどうなっているの？

りんご大国とされる青森県のりんごの出荷と流通は実際にどうなっているのか気になるかと思います

下記にて、「出荷」と、「流通」について解説していきます。

青森りんごの出荷について

青森県は日本一のりんご生産地で、全国のりんご生産量の約60%を占めています。

青森県産のりんごは国内のスーパーや果物店だけでなく、海外にも多く出荷されています。

特に、アジア（特に台湾、香港、タイなど）やアメリカ、シンガポールなどへ多く輸出されています。

輸出量について、ふじりんごが特に海外で人気があり、輸出されるりんごの大部分を占めています。

日本の高品質な果物が評価され、近年輸出量は増加傾向にあります。

青森りんごの流通について

青森県のりんごの流通は、日本国内外の市場において重要な役割を果たしています。

青森県は、日本から輸出されているりんごの9割以上は青森県産と推定されます。

卸売市場、直売所、オンライン販売などを通じて日本全国に供給されるだけでなく、アジアを中心に海外市場にも広く輸出されており、特に「ふじりんご」は世界中で高い評価を得ています。

まとめ

今回は、「青森県のりんごの収穫時期」について、簡単にまとめてみました。

実際には品種によって収穫時期が違っていたり、収穫には様々な工程があり、収穫までにも時間がかかることが理解できる内容となっています。

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